持病がある方の海外旅行

海外旅行へ行くとき、持病がある方は心配かと思います。旅行中に持病が悪化したとなると、現地の医療機関にかかり高額な医療費を請求されることはよくある話ですが、そんなときのために海外旅行保険に加入しておくと安心ですので、加入される人がほとんどだと思います。しかし、持病があっても入れるのでしょうか?

 

最近の海外旅行保険は、持病があっても加入できる商品がほとんどです。ただし、支払いの限度額に制限がかかり、多いのが限度額300万円というもの。旅行中に初めて発症した病気であれば、基本補償の数千万~無制限の補償を受けられますが、持病が悪化した場合は300万円限度というのが多いようです。この300万円限度というのは、医療費だけでなく、救援費用といって親族が現地に見舞う際の交通費や宿泊費、発病した当人の緊急移動費なども含めて300万円限度ですので、高額になりがちな海外での補償を考えると、少し心もとないですね。

 

持病がある方は、今の海外旅行保険ですとある程度自腹を覚悟しなければならないようですが、少しだけ足しになるのが公的医療保険の「海外療養費制度」です。これは健康保険などの公的医療保険へ加入している人が海外で医療機関にかかった場合、受けた医療行為を日本の医療行為に準ずる診療報酬に換算し、自己負担分(多くは3割負担)を除く保険適用部分(多くは7割)が還付される制度です。注意すべきなのは、7割が戻るといっても実際に現地で支払った分の7割ではなく、受けた医療行為の日本版で計算された治療費の7割ですので、多くの場合かなり減額される点です。そしてもちろん、還付されるのは日本で保険適用となる医療行為に対してなので、インプラントや美容整形などは対象外です。

 

このように、持病がある方の海外旅行はある程度のリスクを負わざるを得ないですが、リスクを最小限にするため、海外旅行保険への加入や公的保険のサービスを最大限利用することが重要です。ご相談は当社まで。